2007/11/8 木曜日『道具編1』

 本日は立冬。冬です。
 冬といえばおでん?肉まん?いえいえ違います。ドーナツの季節ですよ!北極星を真ん中に、星星がぐるりと巡る、あの写真を撮る絶好の季節です。

 昨年秋のルーチカカフェ#2『惑星巡廻寫眞展』を企画したころからの望みだった「夜空を撮る」ということを、この冬こそ実現したいです。弟がしまいこんだ(黴ていないか心配)天体望遠鏡で月面や惑星の写真を…という壮大な望みは置いておいて、まずは今ある寫眞機で可能な星景写真に挑戦してみたいと思います。今回参考にさせていただいたのはStellar Scenesというとても素敵な星空の写真満載のサイト。このサイトの「天体写真の基礎知識」というページで道具の確認を行いました。

機械制御式のカメラ
我楽多倶楽部の実働カメラ、BessaflexTMが正にそれ。
BessaflexTM
このカメラは私が自分で選んで自分のお金で買った唯一の銀塩カメラです。評判は微妙で、3年で生産終了してしまいましたが、買った当時に現行だったマニュアルカメラの中では「ファインダーが明るい」「軽い」「比較的安価」「外観が好み」という条件を満たす唯一のカメラで、今でもお気に入りです。

F2〜2.8程度の明るくて、28mm〜35mm程度の広角レンズ
BessaflexTMについているのはULTRON 40mm F2 SL Aspherical
URTRON
こちらも上記カメラと同じく生産寿命が短いレンズでした。でもこのカメラにはこのレンズを…と(恰好メインで)思い焦がれて、生産終了後にかなり値下げして売られていた新品を見かけて購入しました。未だにレンズの写り具合とか、いまいち判らないんですが、全然不満はありません。F2の40mmなので、「明るくてちょっぴり広角」なレンズです。

ちなみに広角がほしくて買ったCOSINA MF 28mm F2.8 MC MACRO。
MC MACRO
こちらは「ちょっと明るい広角」という感じかな。なんかこう、デザイン的にいけてなかったので(レンズにそんなもの求めてどうする)あまりつける気にはなれず使用頻度は低いのですが、広い星空を撮るときには重宝しそうです。

そんなわけで、レンズも準備万端です。

多少の風では揺れないしっかりした三脚
長時間露光の必需品。父親から譲り受けたこの三脚は頑丈さにかけてはピカ一ですよ!重いけど車で運ぶから今のところ問題ないです。
三脚
高感度で粒度の細かいフィルム
ISO800あたりが理想的なんだけど、とりあえず家にあったフィルムを。これは露光時間にも関係してくるので経験して選ぶしかないですね。
フィルム
ストッパーつきのレリーズ
レリーズとは、シャッターボタンのネジに差し込んで、遠隔操作(?)でシャッターを押すアイテムです。室内撮影をするときにブレを防ぐために購入したものがありました。
レリーズ
あれ?でもこれ…ストッパーがないですよ!ストッパーはシャッターを押したままにするネジのことです。シャッター速度を変えられるカメラにはバルブという「シャッターボタンを押している間はシャッターが開いたまま」という機能がありますが、さすがにずっと押したまま30分とか1時間なんてことは不可能なので、ストッパーでシャッターを押したままの状態にしておくんです。父親から譲り受けたものはストッパー付だったのですが、ワイヤー部分が錆びて滑りが悪くなっていたので処分してしまったんだよなあ…。

というわけで、ストッパーつきのレリーズを手に入れれば、星景写真を撮る道具の準備は調うことになります。

2007/11/11 日曜日『道具編2』

 ストッパーつきレリーズをついに入手しました!
 ストッパーなしよりも安かったのは何故?
ストッパーつきレリーズ
 これで道具は揃いました。いつでも星を撮りにゆけます。
 次回より、何をいつどこで取るかを考えます

2007/11/12 月曜日『撮影編1』

 夜空の景色を撮ると言っても、その対象や方法で全く違う写真が出来上がります。とりあえず私が撮りたいものを挙げますと
・筑波山の上に北極星とぐるぐる
・火星を抱いた双子座
このふたつ。特に双子座の中に火星が入っているのは今の時期限定なので、かなり急いで撮影せねばなりません。いまのところ、明け方近くに西の空にいるのを狙いたいと考えています。
 明日は同居人が6時前の電車で出張するというので早朝撮影ができるか?と思ったのですが、日の出が6時過ぎなので全然暗くなくて断念。しかも夕方は天体観測日和な快晴だったのに、日が暮れると薄い雲が空全体に広がってしまいました。…なんだかこの視点、憧れの「天文台日記」っぽくてちょっと嬉しいです。晴れている日に4時起きで頑張ろうと思います。

 さて、私がよく情報源としているサイトはNIKONの星空案内です。このサイトはとても判りやすく星空を案内しているのでおすすめなんです。夜空を見なきゃ!見るぞぉ!という気にさせてくれます。今月はすばるの食が見ものだそうです。

 天体関連でもうひとつ気になるサイトは国立科学博物館で2001年に開催されたイタリア化学とテクノロジー展のバーチャルミュージアムです。天体というより…なんだろ…この分類…。わたしはこれをなんと分類するのかわかりません。よくわからないんですが、天体関連の古い器具がたくさん紹介されていて、目の保養によく眺めています。理科好き天文好きの方は是非目の保養にどうぞ。

2007/11/13 火曜日『撮影編2』

 明け方5時半近くになると東の空はすでに明るくなってきて、6時近くには星影はほとんど日の光に隠されてしまいます。家を出るときは満天の星空だったのに、同居人を駅に送り届けて研究所についたころにはほとんどの星が見えなくなっていました。今日は撮影はあきらめて、星座の位置とカメラ設置位置、レンズに入りきるかどうかの確認を行いました。
 今、火星は西の空に赤く輝いていてすぐに見つかります。ポルックスも何とか見えたので、この二つをファインダーで覗いて位置確認を。40mmのレンズだったら何とか入るサイズですが、ちょっと不安なのでもう一回り広角のレンズにしたほうが無難そうです。ファインダーが明るいBessaflexTMにしておいてよかったと改めて実感。撮影位置は当初予定していた研究所のベランダが屋根が邪魔でよろしくないので、昨晩ぐるりと回って見当をつけていた通勤途中の空き地にしようかと思います。

 久々に夜の終わりを見ました。高校時代はわけあって3時起きの生活をしていて、明け方に寮の屋上に上って夜の終わりと朝の始まりを楽しんだものです。
 つくばは比較的中心街の近くに鴉のねぐらがあって、東の空が明るくなるころに通勤が始まります。遠いところへ往く鴉から順次出発している模様。うちの研究所は田舎の真ん中にニョキっと建っているので、そこで発生する上昇気流に乗って高く上がっているようです。西へ向かう鴉はだいたいこの建物の上を飛んでいました。鴉の通勤が一段落すると、今度はそばの茂で大量の雀が起きだします。林の中ではほかの鳥の声も聞こえるし、いよいよ日の出が近くなってきたところで本日の撮影準備は終了。

 明日の明け方もどうか晴れますように。

2007/11/14 水曜日『撮影編3』

 天気は晴れ。気温は測っていませんが、手袋をはめなくても悴まない程度です。
 朝の5時前から撮影開始。本日はふたご座をターゲットに、露光時間と露出の確認のため、同じ写真を10枚撮影しました。
 撮影場所は近所の空き地です(北緯36.087409度、東経140.098933度)。

カメラ:BessaflexTM
レンズ:ULTRON 40mm F2 SL Aspherical フィルム:FIJIFILM SUPERIA Venus400 36枚どり

1) F2, 30sec / 2) F2, 15sec
gemini
3) F2.8, 30sec
/ 4) F2.8, 15sec
gemini
5) F4と2.8の間, 30sec / 6) F4と2.8の間, 15sec
gemini
7) F4, 30sec / 8) F4, 15sec
gemini
9) F5.6, 30sec / 10) F5.6, 15sec
gemini

ついでにオリオン座も撮ってみました。
11) F2, 24sec(30秒撮ろうとして失敗)(写真)
12) F2, 30sec
13) F4, 30sec
大きな三ツ星のしたの小さな三ツ星。この真ん中がオリオン座の大星雲です。わずかにモヤっとしているのが判っただけでも大興奮でした。この程度で判るのなら双眼鏡でもわりと容易に見つけられるかもしれません。
orion

露光時間が短いので、今回レリーズはストッパーを使わず、押したまま頑張りました(だからオリオン座では油断して失敗)。一眼レフなのでシャッター衝撃でのブレを心配して、シャッターを開く前後に黒いボードで蓋をするという方法をとってみたのですが、これが凶と出るか吉と出るか、現像してみないことには判りません。36枚どりだから先はながいよ…。
 撮影終了後にうす雲が出てきました。夜明けは雲をつれてくるんですね。

<現像後加筆> 30秒では自転の影響をもろに受けてしまいました。星を点で撮りたいのなら15秒が限度かも。そうするとやはり露出は2があると嬉しいです。星を追いかける装置がほしくなってしまいますが、なくても撮影できる星景写真はいくらでもあるのだから、それを撮り尽くして尚ほしいと思ったら手に入れたいと思います。黒いボード効果は…一応悪影響はしていないみたいですが、これくらいの拡大率だったら別になくても構わなさそうです。
2を加工した写真↓です。
gemini




2007/11/20 火曜日『撮影編4』

 4時過ぎ起床。北の空は薄曇だけど、なんとか星が見えるので撮影を決行することにしました。準備をして家を出たのが4時半。研究所についてセッティングするころには北の空は薄雲に覆われて星はほとんど見えない状態になっていました。でもここまで来てしまったのだし、失敗したところでフィルム1枚無駄にするだけなので…とやはり決行。
 5時に撮影開始。露出は5.8に設定。
 実験室に帰って分析の準備をしていたらあっという間に30分経ってしまったので、カメラの元に行ってみるとやはり空は曇ったままで、5時30分撮影終了。あと30分…と思いましたが東の空が白んできたので断念しました。1時間露光するんだったら撮影開始は4時半か…。

 夜の雲が動く空を30分露光したら何がとれるんだろう。何も写らないのかしら。それはそれで楽しみです。それで気づきましたが、筑波山のほうで雷光がさかんに輝く夜があるのですが、そのときに15分くらい露光したら雷光だらけの空とかがとれるかな。それも楽しそうです。撮影して「竜の巣だ!」とか云いたい。

<現像後加筆> 予想通りこんな写真です。上のほうにうっすら北極星が見えました。
gemini


2007/11/21 水曜日『撮影編5』

 4時起床。満天の星空!
 ウキウキ研究所に向かう途中、みるみるモヤが出てきてあせりました。カメラをセッティングするころにはかなりのモヤが…。これが霧の朝の前触れなのでしょうか。
 4時50分撮影開始。露出は5.6。
 5時20分撮影終了。
 終了時にはモヤが更にひどくなっていて、地上ちかくはもう星が見えません。悔しいので空高く輝いている北極星と北斗七星を、5時20分に撮影開始。露出は同じく5.6で。5時35分撮影終了。

 東の空が明るくなってきました。やっぱりなんだかモヤってます。週末には満月で、満月の後は夜明け前の撮影が難しくなります。特に冬は満月が北西の空に沈むからけっこう影響力大です。

 そんなことを考えて悶々とするのも、案外楽しいものですね。

<現像後加筆> 地上近くはモヤで筑波山もほとんど見えませんが、北極星近くにぐるぐる発見!
gemini


2007/11/22 木曜日『撮影編6』

 本日も午前4時起床。南のほうの雲が大気中も水分を持って行ってくれたらしくモヤはなし。満天の星空です。
 ポラリスにレンズを向けて4時45分撮影開始。露出は今日は4にしてみました。5時15分撮影終了。今日もついでに北斗七星をF4で10秒。露出はもっと明るくしたほうがよかったかなあと反省してます(F2くらい?)。

 冬至前後は北極星が思った以上に高いです。23.4度という地軸のずれはこれほどまでに大きなものなのかと実感する瞬間です。今週の撮影は今日で終わりだから、来週からは広角レンズを使って撮影したいと思います。そうだ、来週からは下弦の月だったんだ〜。標準レンズも持参して夜明けの月の入りも撮影したいなあ。月景の撮影を考えると、もっと望遠のレンズがほしくなります。標準レンズじゃ月は小さく写ってしまうんだもの。

<現像後加筆> 今回一番良い出来です。露出はもっと暗くてもいいようです。30分露光で5.6〜8くらい。
gemini